巨鯨の海
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4.4 • 7件の評価
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- ¥770
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発行者による作品情報
江戸時代、紀伊半島の漁村・太地に、世界でもまれな漁法「組織捕鯨」を確立した人々がいた。磨かれた技を繰り出し、集団で鯨に立ち向かう「鯨組」は、仲間との強い絆と厳しい掟により繁栄を極めた。命を削る凄絶な戦いゆえに、鯨にも畏怖の念をもって立ち向かう彼ら。江戸末期から明治へ、共同体の熱狂の季節と終焉を躍動感溢れる筆致で描く、全6編の一大クロニクル! 「山田風太郎賞」「高校生直木賞」受賞作!
APPLE BOOKSのレビュー
数々の受賞歴をもつ伊東潤の山田風太郎賞受賞作品。江戸時代中期から明治にかけて、和歌山の漁村で鯨漁を生業とする人々の姿を描く。お互いの命を託し集団で巨鯨に立ち向かうため、厳しい掟と絆の中で生きる男たち。その様々な人間模様を軸に、手に汗握る鯨との激しい格闘、荒れ狂う大海で漂流する恐怖、はたまた子供を守ろうとする親鯨の愛情、時代とともに移りゆく村や産業の変化がスピード感あふれる筆致で描かれ、読む者を圧倒する。優れた人間ドラマであり、アクション・エンタテインメントとしても一級品との呼び声高い快作。