星の子
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3.5 • 213件の評価
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- ¥650
発行者による作品情報
林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。野間文芸新人賞を受賞し本屋大賞にもノミネートされた、芥川賞作家のもうひとつの代表作。《巻末対談・小川洋子》
APPLE BOOKSのレビュー
芥川賞作家、今村夏子が描く家族の物語『星の子』。小さい頃から体の弱かった“わたし”ちひろのために、専門医が勧める薬や、さまざまな民間療法を試した両親が行き着いた先は、怪しい新興宗教だった。わたしを治したのは父の会社の同僚である落合さんに勧められた、宇宙のエネルギーを宿した「金星の水」。家族全員が元気に過ごせるようになったのは、その水のおかげだと、父と母はどんどんとその信仰にのめりこんでいく。姉は、そんな両親から逃げるように家出をしてしまったが、わたしは、自分の家族が周りとは少し違うと気づきつつも、両親や友人、宗教のコミュニティとそれなりにうまくやっている。物語は、ちひろの目線で幼少期から中学校までの日常を通して、少しずつ家族が社会からずれていく姿が描かれているのだが、これといって大きな事件も出来事も起きない。宗教の詳細も語られない。ただ、ちひろが見たこと、知っていること、感じたことのみが彼女の会話や目線で叙述されていく。説明がないからこそ読者の想像する余白がとても多く、物語全体の解釈もラストも、読む人によって見える景色がきっと少しずつ違う不思議な作品。2020年に大森立嗣監督により、実写映画化された。
カスタマーレビュー
読みやすい分、難しい
中学生の「わたし」の目線で話が進むので
とても読みやすかったです。
ただ、いろいろ疑問が残る部分が多く、スッキリしない気持ちになりました。
あくまで「ちーちゃん」のみてる世界の話なので、そういう意味では回収しきらないのも自然なのかと思いました。
評価が高かったので読みましたが
ありそうで無さそうで、不思議な気持ちになる本でした。