泉鏡花 現代語訳集9 縷紅新草 泉鏡花 現代語訳集9 縷紅新草
泉鏡花 現代語訳集

泉鏡花 現代語訳集9 縷紅新‪草‬

    • ¥250
    • ¥250

発行者による作品情報

泉鏡花の小説「縷紅新草」の現代語訳。

【あらすじ】

ある小春日和の午後、辻町糸七は、一昨年この世を去った従姉の娘、お米と連れ立ち、故郷の寺へその墓参りに来た。

手に提げた間抜けな昼提灯を、「持ちましょう」とお米が言うのを断ると、「ご自分の手で誰かさんのお墓へお供えなさりたいのでしょう」と藪から棒をくらう。

三十年前、生活に行き詰まった辻町が、自殺しようと城の堀の上を徘徊した際、そこにもう一人、寂しい姿の見えた、初路という若い娘のことを、お米は言ったのである。

もと千五百石の一人娘だった初路は、家が没落して親類へ引き取られ、はんかち工場で刺繍の賃仕事をしていたが、容姿の美しさと針仕事の腕を他の女工から嫉妬され、彼女が考案した、蜻蛉の二つ連なった刺繍の図案に当てつけた中傷を苦に、自ら命を断ったのだった。

あわれな姫君を偲び、その霊も慰めようと墓地へ来た二人の前に、四人の男が慌てふためいて姿を現し、先頭の寺爺が、「蜻蛉の幽霊が出た」と言う。

蜻蛉の幽霊なら怖くはない、とお米が先へ立ってまず母の墓へ、次いで初路の墓へ向かうと、そこには無残にも荒縄でがんじがらめに縛られた石塔が転がっていた。

【訳者略歴】

白水 銀雪(しろみ ぎんせつ)

慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学)

システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事

現在、蓼科にて山暮らし

ジャンル
小説/文学
発売日
2016年
4月11日
言語
JA
日本語
ページ数
58
ページ
発行者
BCCKS Distribution
販売元
Digital Publishing Initiatives Japan Co., Ltd.
サイズ
649.2
KB
高野聖 高野聖
1900年
外科室 外科室
1895年
泉 鏡花 泉 鏡花
2017年
夜叉ヶ池 夜叉ヶ池
1999年
天守物語 天守物語
1999年
草迷宮 草迷宮
2000年
泉鏡花 現代語訳集13 化銀杏 泉鏡花 現代語訳集13 化銀杏
2016年
泉鏡花 現代語訳集15 陽炎座 泉鏡花 現代語訳集15 陽炎座
2016年
泉鏡花 現代語訳集17 日本橋 泉鏡花 現代語訳集17 日本橋
2016年
泉鏡花 現代語訳集18-1 婦系図(前編) 泉鏡花 現代語訳集18-1 婦系図(前編)
2016年
泉鏡花 現代語訳集18-2 婦系図(後編) 泉鏡花 現代語訳集18-2 婦系図(後編)
2016年
泉鏡花 現代語訳集21 神鑿(しんさく) 泉鏡花 現代語訳集21 神鑿(しんさく)
2018年