親鸞(しんらん)(上) 【五木寛之ノベリスク】
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発行者による作品情報
馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。
APPLE BOOKSのレビュー
日本最大の信徒数を抱える浄土真宗の開祖、親鸞の波乱に満ちた生涯を描く大河小説。8歳の少年、忠範は、暴れ牛に襲われそうになったところ、浄寛という無頼の僧に助けられ、河原者と呼ばれる下層民の暮らしに興味を抱く。そして翌年、高僧の慈円と出会った忠範は、仏門に入り範宴の名を与えられる。比叡山に入り修行を続けるも、なかなか開けない悟りにいら立つ範宴は、「南無阿弥陀仏」と念仏を一つ唱えるだけで誰もが救われるという、専修念仏を説く法然と出会い強く引かれていく。自分の進むべき道を模索してあがく姿、煩悩を断ち切れずに悶々(もんもん)とする姿など、若者の等身大の悩みには時代を超えた共感性があり、青春小説としても秀逸。謎の多い親鸞の若き日の姿を、フィクションを織り交ぜながら生き生きと描く。直木賞作家による圧倒的な筆力が、当時の社会の荒廃した様子を詳細に写し取り、末法の世を再現している。
カスタマーレビュー
パナマ珈琲
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面白かった
期間限定で百円だったから買って読んでみましたが、良い意味で期待外れでした。
休筆宣言後の五木寛之さんのエッセイは何編も読みましたが、小説は初めて読みました。
昔のちょっとクセのある文章とは全然違って、読みやすく、また話が上手い。もちろん続きも読んでいきます。