PRIZEープライズー
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4.7 • 6件の評価
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- ¥2,200
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発行者による作品情報
村山由佳が描く、業界震撼の“作家”小説!
「どうしても直木賞が欲しい……!」
賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める、あるベストセラー作家と彼女を取り巻く人間たちの、破壊的な情熱が迸る衝撃作!
あらすじ
ライトノベルの新人賞でデビューした天羽カインは、3年後には初の一般小説を上梓、その作品で〈本屋大賞〉を受賞。以来、絶え間なくベストセラーを生み出し続け、ドラマ化・映画化作品も多数。誰もが認める大人気作家である。
――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。
過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの?
*
『南十字書房』に勤める緒沢千紘は、天羽カインの担当編集者である。学生のころから大ファンで、編集者になってからは必死のアピールのすえカインの担当となった。〈直木賞〉が欲しいとのたまうカインに振り回されつつも、彼女の情熱に応えるべく、自らのすべてを懸けてカインに没頭するようになってゆき――。
*
一方『文藝春秋』のカイン担当、「オール讀物」編集長の石田三成は当惑していた。文春から出す新作を「絶対に候補作にしろ」とカインに詰め寄られたのだ。そしてその日カインが宿泊するホテルのカードには、手違いで「石田三成」の名前が載っていて……。
果たして天羽カインは直木賞を獲得することができるのか。
あまりのリアリティに業界震撼! 文芸を愛するすべての人に捧げる容赦ない作家小説。
APPLE BOOKSのレビュー
直木賞作家の村山由佳が、直木賞受賞を熱望する作家を主人公にした異例の小説。ライトノベル出身ながら一般文芸に転身後すぐに「本屋大賞」を受賞。出す本はたちまちベストセラーとなり、本屋大賞には毎回候補に挙がる常連。押しも押されもせぬ人気作家となった天羽カインだが、彼女が渇望しながらも手に入れられないものがあった。それこそが直木賞…。プロの作家が選考し、受賞すれば注目度も販売部数も地位も格段に跳ね上がる、分かりやすい値打ちの勲章だ。カインも何度かノミネートはされたものの、毎回落とされる上に選考委員からは辛口の批評ばかり。「私の、何が駄目なの?」。自分を認めない周囲を見返してやりたい、その一心で直木賞への執着を深めるカイン。プライドが高く傲慢(ごうまん)で辛辣(しんらつ)。自身にも周囲の出版関係者にも高い要求を突きつけ、妥協を許さぬストイックさ。そして承認欲求という言葉ではまるで足りない、じりじりと焦げ付くような業の深さ。腫れ物に触るようだった編集者たちも、やがて彼女の苛烈な欲求に巻き込まれていく。一冊の本を生み出すまでに込められた、その破壊的なまでの情熱に、読んでいるこちらまで身を焦がされそうになる。