銭形平次捕物控
発行者による作品情報
湯島の山名屋五左衛門が自邸の離屋(はなれ)で何者かに刺殺された。五左衛門の妾(めかけ)にされてしまう妹・お秋を救い出すため、五左衛門と交渉していた水茶屋の女・お篠や、お秋の許婚であり、五左衛門に積年の恨みがあった青年・宗次郎に嫌疑が掛かるが…。下手人は二百両の金を一体どこに隠したのか? 「八、もう一度やり直しだ。こんなに他愛(たわい)もない殺しで、こんなに骨を折るのは珍らしい。下手人になり手が多過ぎたよ」──。さすがの推理力を見せる銭形平次の活躍を描いた捕物小説の一編。