銭形平次捕物控
発行者による作品情報
旗本・横山主計(かずえ)の屋敷の祠から発見された紅筆で書かれた二十五字の謎の仮名文字。銭形平次が解読すると「若殿お命を速やかに縮め給へ、穴賢(あなかしこ)」という呪いの願文が現れ、主計から犯人だと疑われた後妻・お勇が身の潔白を主張して自害するという事件が起きてしまう…。「御苦労だな、平次」、「恐れ入ります」、「何か手掛りは見付かったか」、「何んにも解りません」、「紅筆で仮名文字を書いたから、女の仕業と考えるのは少し早合点だな。現に叔父上はそれでしくじったたのだ」、「御尤もで」。屋敷内に住んでいる者の仕業に違いないが、果たして願文を描いた悪戯者は誰なのか? 犯人探しが楽しめる捕物帳シリーズの一編。