アンデッドガール・マーダーファルス 1
-
- ¥800
-
- ¥800
発行者による作品情報
吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された……!? 解決のために呼ばれたのは、人が忌避する“怪物事件”専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥籠を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。謎に満ちた悪夢のような笑劇(ファルス)……ここに開幕!
APPLE BOOKSのレビュー
2012年に『体育館の殺人』でデビューした青崎有吾の人気シリーズ『アンデッドガール・マーダーファルス』。緻密な論理展開が持ち味の作家だが、19世紀末を舞台にした本作では本格的な謎解きに落語や講談のような口上とアクションシーンを取り入れて、ティーン層も楽しめるエンターテインメント作を書き上げた。怪物一掃が進んだ明治初期の日本から、怪物専門の探偵である生首の美少女、輪堂鴉夜と、鳥籠使いと呼ばれる半人半鬼の真打津軽がヨーロッパへ渡る。フランスの小さな街ジーヴルに呼ばれた彼らは、古い城で発生した吸血鬼殺人事件に挑むのだが…。名作家たちが作り出した怪盗ルパンやオペラ座の怪人などのヨーロピアンロマンに、日本から来た探偵が乗り込むアイデアが面白い。本格ミステリーファンへの目配せも行き届いており、有名な悪役との対決を予感させるラストに期待が高まる。