ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー
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3.4 • 7件の評価
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- ¥490
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発行者による作品情報
「体はね、お菓子のようなものよ。心はね、パンのようなものなのよ。ベイビー」(「ME AND MRS. JONES」より)。
「女の愛し方を知ってるの?」「体は知ってるけど、心の方は自信がねえな」(「FEEL THE FIRE」より)。
ソウル・ミュージックの名曲タイトルを冠した8つの短篇からなる、極上の恋愛小説集。センセーションを巻き起こした第97回直木賞受賞作にして、著者の代表作!
APPLE BOOKSのレビュー
第97回(1987年上半期)直木賞受賞作。男女の官能的な関係を描いた八つの物語をまとめた短編集であり、山田詠美の代表作。昔の男との短い逢瀬を描く「WHAT'S GOING ON」や、大人の女に翻弄されるティーンの初恋の物語「ME AND MRS. JONES」、義理の母への叶わぬ恋慕をつづる「MAMA USED TO SAY」など、作者の体験を多分に反映したシスター、ブラザーたちの恋愛模様を描く。彼らの恋はセックスと密接に結びついており、濃厚なエロスに包まれた作品であるのは間違いない。しかし、彼らには肉体を激しく交わす刹那的な一瞬に永遠を見いだすような、そこに一生分の愛を刻むような一途さがある。それが最終的に本作をピュアなラブストーリー集にしている。各編のタイトルはソウルミュージックの名曲から採られており、物語の中でも常に甘く切ないソウルミュージックが流れ、山田の簡潔な文体のリズムと緩やかに絡み合っていくのを感じるはずだ。人を愛することの喜びと哀しみを、まさに五感を研ぎ澄ませて“感じる”べき珠玉の一作。