メインテーマは殺人
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- ¥1,200
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発行者による作品情報
自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は自分が殺されると知っていたのか? 作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、ドラマ『インジャスティス』の脚本執筆で知りあったホーソーンという元刑事から連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかというのだ。かくしてわたしは、きわめて有能だが偏屈な男と行動をともにすることに……。ワトスン役は著者自身、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ! 7冠制覇『カササギ殺人事件』に並ぶ圧倒的な傑作登場。/解説=杉江松恋
APPLE BOOKSのレビュー
シャーロック・ホームズシリーズの正式な続編「絹の家」などを手掛け、2018年に翻訳された「カササギ殺人事件」がミステリーランキング7冠に輝いた作家アンソニー・ホロヴィッツ。ミステリー界の名手が放つ新シリーズ第1弾「メインテーマは殺人」は、著者本人が秘密主義の元刑事ホーソーンの謎解きに巻き込まれる変化球的推理小説。自分のための葬儀の手配をした老婦人が、数時間後に絞殺される。偶然にも強盗殺人の犠牲になったのか、それとも老婦人は自分が殺される危機に気づいていたのか。この奇妙な殺人事件の捜査を頼まれたホーソーンは、仕事で知り合った小説家のホロヴィッツに、今回の捜査をネタに本を書いてほしいと依頼する。記録係のホロヴィッツと二人三脚の捜査によって、随所に施された伏線が見事に回収されていく終盤の展開には感心させられる。名探偵に対抗意識を燃やすホロヴィッツの野心や、作家の裏事情を暴露する自虐的エピソードなども楽しい。ホームズとワトソンのような新凸凹コンビの誕生に、続編の期待が高まる作品。