リボルバー
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- ¥710
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発行者による作品情報
パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に? リボルバーの真贋は? 調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。
APPLE BOOKSのレビュー
“ゴッホは本当に自殺だったのか”。ゴッホの死にまつわる最大の謎を追うアート×ミステリー小説『リボルバー』。主人公の高遠冴は、実家の部屋に飾られたゴッホとゴーギャンの絵に小さなころから引かれていた。やがて、彼ら画家2人の研究者となった冴は、パリにある小規模のオークション会社“CDC”に勤めながら、博士論文を書くために研究を続けていた。そんなある日、“ゴッホを撃ち抜いたリボルバー”がサラという画家の女性によって会社に持ち込まれる。不思議な運命を感じた冴は、果たしてそのリボルバーが本物なのか、調査に乗り出す。少しずつ見えてくる真実、そして点と点がつながったとき、誰も知らない物語が浮かび上がってくる。世間に認められることなく人生を終えた孤高の天才画家2人の友情、嫉妬、執念、絶望。美術館勤務やキュレーターとしての経歴を持つ原田マハの、画家たちや作品への愛と造詣の深さが隅々から感じられる。一読すれば、息遣いが聞こえてきそうなほどゴッホとゴーギャンが身近に感じられ、作品に会いに美術館へ足を運びたくなるだろう。