婚活マエストロ
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- ¥1,700
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発行者による作品情報
本屋大賞受賞『成瀬は天下を取りにいく』を超える、爆走型ヒロインが誕生!
40歳の三文ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を書く仕事を引き受ける。安っぽいホームページ、雑居ビルの中の小さな事務所……どう考えても怪しい。
手作り感あふれる地味なパーティーに現れたのは、やけに姿勢のいいスーツ姿の女性・鏡原奈緒子。場違いなほどの美女だが、彼女は「私は本気で結婚を考えている人以外は来てほしくありません」と宣言する。そして生真面目にマイクを握った――そう、彼女は婚活業界では名を知らぬ者はいない〈婚活マエストロ〉だった。
その見事な進行で、参加者は完全にマエストロ・鏡原の掌の上。彼女は何者なのか、なぜこんな会社で働いているのか、〈マエストロ〉ってなに……謎は深まるばかりだが、猪名川は同社のイベントを手伝うことに。65歳以上のシニア向け婚活パーティーから、琵琶湖に向かう婚活バスツアー(クルーズ船「ミシガン」に乗車)まで。これまで結婚に興味のなかった猪名川も、次第に「真面目に婚活するのも悪くないかもしれない」と思い始める。
ものは試しと他社が運営する婚活パーティーを訪れてみると、そこには参加者として席に座る鏡原の姿があった――。
APPLE BOOKSのレビュー
婚活会社の仕事を受けることになった40歳の独身ウェブライターを巡る青春小説『婚活マエストロ』。大学入学からずっと同じマンションに21年も住み続けているライターの猪名川健人。恋人もいなければ貯金もなく、自由気ままに暮らしていたある日、大家のおじいさん、田中宏に仕事を紹介される。連れて行かれたのは雑居ビルに事務所を構える婚活会社「ドリーム・ハピネス・プランニング」。20年前に作られたホームページ用に記事作成を頼まれた猪名川だったが、成り行きで自分も婚活パーティーに参加することに。シニア向けのパーティーやバスツアー、カラオケにアプリなど、さまざまな婚活のシチュエーションで巻き起こる男女の出会いのあれこれを見ていくうちに、猪名川の心にも小さな恋の炎が灯り…。ドリーム・ハピネス・プランニングのスタッフで「婚活マエストロ」と呼ばれる鏡原や、婚活で出会う女性たちなど個性豊かな登場人物の中で、猪名川は結婚を意識する人と出会えるのか。『成瀬は天下を取りにいく』でデビューし、一躍有名作家となった宮島未奈の初長編小説。