暗幕のゲルニカ(新潮文庫)
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- ¥850
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発行者による作品情報
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス!(解説・池上彰)
カスタマーレビュー
tomoenk6
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平和とゲルニカ
この本は「楽園のキャンバス」のスタイルと似ている。時代が現代と過去と行き来するところと、ティム・ブラウンが出てくるところ。一つの絵をテーマに物語が展開するところ。先に「楽園のキャンバス」を読んでいてよかった。ゲルニカの描かれた時代の戦争に対する反発の気持ちも描かれているが、現代の私たちが体感した9/11のテロとその後のアメリカの動向に対する作者の考え方にもつながっていて、過去と現在の2人の女性を通して平和への祈りが伝わってくる。個人的には時代が前後するスタイルは理解しづらいのでその意味で星4つです。でも歴史、政治、美術史をよくリサーチされて書かれているので、さすがと思います。