月と蟹
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3.8 • 39件の評価
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- ¥640
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発行者による作品情報
注目度ナンバー1の著者による少年小説の傑作! 「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」──家にも学校にも居場所が見つけられない小学生の慎一と春也は、ヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを考え出す。100円欲しい、いじめっ子をこらしめるなどの他愛ない儀式は、いつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。鎌倉の風や潮のにおいまで感じさせる瑞々しい筆致で描かれ、少年たちのひと夏が切なく胸に迫る長篇小説。 第144回直木賞受賞。
APPLE BOOKSのレビュー
第144回(2010年下半期)直木賞受賞作。海辺の街を舞台に、無邪気で残酷で壊れやすい心を抱えた小学生たちが思春期を経て、大人へと踏み出す物語『月と蟹』。鎌倉市に程近い海辺の街にある祖父の家に、母と共に引っ越してきた慎一は、父の死を思いながら、学校のクラスになじめずにいる。唯一の友達は関西から引っ越してきた同じく転校生の春也。そんな毎日の中で、学校帰りに岩場の陰に仕掛けておいたブラックホールにかかるヤドカリをあぶり出して遊ぶのが、彼らのかけがえのない時間だった。ある日、ヤドカリを神様に仕立てた遊びを考えついた2人は、母を亡くした少女、鳴海を巻き込み「ヤドカリ様」に祈る儀式を始める。大人たちの秘密や身勝手さに振り回されながら、そこから逃げられずにいる子どもたちの切実な願いと葛藤、そして自分たちを守ろうとする必死さに胸が締め付けられる。子ども時代の終わりを迎える危なげな少年たちの情景が、生々しく脳裏に焼き付く。
カスタマーレビュー
ととまこと
、
最高の青春小説でした
きっと三人とも白髪すごかったんだろうなぁ