楽園の楽園
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3.7 • 15件の評価
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- ¥1,600
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発行者による作品情報
伊坂幸太郎デビュー25周年記念書き下ろし作品。
これはディストピア小説か? ユートピア小説か?
所在不明の人工知能〈天軸〉の暴走で、世界が混乱に陥る近未来。
開発者が遺した絵画〈楽園〉を手掛かりに
五十九彦(ごじゅくひこ)、三瑚嬢(さんごじょう)、蝶八隗(ちょうはっかい)の選ばれし3人は、
〈天軸〉の在処を探す旅に出る――。
書き下ろしの短編小説を、気鋭のアーティスト、井出静佳の
装画・挿絵とともに味わう「伊坂幸太郎史上最も美しい1冊」。
APPLE BOOKSのレビュー
伊坂幸太郎のデビュー25周年記念書き下ろし作品。数々のミステリー大賞を受賞し、作品が海外でも映像化されるほどの世界的人気作家が、人類の未来を暗示した寓話。人工知能の暴走により危機に瀕した人類を救うため、3人の若者が巨大な森の中に埋もれた楽園を目指す。主人公たちと、その3人が探す人工知能「天軸」の名前から、『西遊記』をモチーフとしていることが分かるが、彼らにとっての三蔵法師は人工知能の開発者か、それとも巨大樹の生い茂る楽園そのものか。導く者がいないことによる不安の中で、彼らは世界の奥深さを知る。近未来SFであり冒険アドベンチャーともいえるが、大長編並みのプロットがわずか50ページほどの短編に昇華されていることに驚く。ページの合間には、表紙の装画も担当する気鋭のアーティスト、井出静佳のイラストがふんだんに挿入され、ビジュアル面でもインパクトがある。抽象的なイラストがさらにイマジネーションを膨らませる役割を果たし、読者それぞれに結末のその先を想像させる。
カスタマーレビュー
ヌード最高
、
近未来の三遊記
あっという間に、物語は終わってしまった。地球の自然の規模に比べ、人間社会はどんなに小さく、脆いものなのかと警告しているようだ。
コロナ禍を踏まえた作品であろう。