![N・P](/assets/artwork/1x1-42817eea7ade52607a760cbee00d1495.gif)
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N・P
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4.1 • 7件の評価
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- ¥450
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発行者による作品情報
熱狂的な支持を集めた97編の短編小説『N・P』。著者の高瀬皿男は、アメリカで自殺を遂げていた。遺されたのは、二卵性双生児の姉・咲と弟・乙彦。
『N・P』未収録の98話目を発見し、翻訳していた庄司もまた、自ら命を経ってしまう。その98話に描かれていたのは、実の娘に恋する男の話――。
五年後、 庄司のかつての恋人だった風美は、遺された姉弟と再会した。さらに、庄司の形見の98話目の原稿をねらう女も現れる。
高瀬の死後なお『N・P』に翻弄され続ける風美たち。その激しく美しい夏の日々を描いた傑作長編。
APPLE BOOKSのレビュー
レズビアン、近親者との愛、テレパシーとシンパシー、オカルトなど、それまでの自分の小説のテーマの全てをつぎ込んだと作者自らが語る、90年代の作品『N・P』。アメリカに暮らし、97本の短編を集めた小説「N・P」を書いた作家、高瀬皿男は48歳で自殺した。高校生の風美の17歳年上の恋人、庄司もまた、幻の98話目を翻訳していた途中に自殺してしまう。5年後、風美は、呪われた小説「N・P」に執着する高瀬皿男の娘、萃という女の存在を知るが…。風美を通して描く、ひと夏の出会いと別れは、全てが激しく美しい。死の影が漂う1冊の本に翻弄され、禁断の愛が渦巻く物語でありながら、公園で食べるアイスキャンディ、真夜中に降る台風のような大雨、海辺のたき火など、夏の情景には生命力が宿る。直情的で迷惑な女でありながら、死を間近に感じる呪いを抱えた聖女でもある萃の不思議なキャラクターも存在感を見せる。物語の根幹に“翻訳”があり、終盤で“手紙”が重要な役割を担うなど、メタフィクション的な趣向も秀逸。