写真集 トンボと過ごす野山の四季 春夏編
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Publisher Description
本書は前著である「写真集 トンボと過ごす野山の四季 -秋冬編」の続編として企画しました。トンボといえば夏や秋の昆虫という印象が強いですが、春から秋の終わりまで、中には冬でも見ることができる種がいます。それでもやはり春暖かくなった時に徐々にトンボが増えてくると、春から夏にかけての季節が楽しみになります。
ここ数年は昆虫の写真を集中的に撮ってきましたが、特にトンボを狙っているわけではありません。ほとんどの虫を公平に満遍なく、なるべく偏見を持たないようにして撮ってきました。そのような中から、Instagramに載せたり、こうして写真集で公開したりするわけですが、その段階で、選ばれる写真とそうでない写真が出てきます。選びやすい、選びにくいという表現の方が正確かもしれません。そのような中で、トンボはわりと、被写体に関しては選びやすい写真が多かったように思います。しかし写真としての出来栄えはまた別で、あまり近づけず、飛んでいることも多いトンボは、小さな虫を大きく撮る昆虫写真の基本からはやや外れていて、少し難しく感じたのも事実です。そのため、いつも使っている接写用のレンズだけでなく、200mmまでのズームレンズも使いながら撮ったのが、他の昆虫とは大きく異なることでした。あまり出番がなかった望遠系のズームレンズが意外に活躍してくれました。
これまでに、ハナムグリ、カマキリ、ビロウドツリアブ、キアシドクガ、テントウムシ、ヒゲナガガと、昆虫の種別に電子書籍で写真集を出版してきましたが、実はトンボはかなり前から構想をしてきました。ただあまりにも一般的でポピュラーな昆虫だけに、どうやってまとめるか考えているうちに時間が経過してしまいました。トンボ目の中を分けて構成するということも検討しましたが、ある程度まとまった期間と場所で多数の写真を撮らないと難しいかもしれないと思い、やや寄せ集め的ですが今回のような企画に落ち着きました。でもそれはそれで、いろいろな種類のトンボを載せることができたので、最初の1冊(実際は2冊)としては良かったかもしれないと、今は思うことにしています。
撮影したエリアは、前著と同様に横浜市の一部とその近隣の街中にある自然が残されている公園などです。またページのレイアウトも前著を踏襲し、横構図を基本にして縦構図の場合は2枚を1ページに並べています。例外的に数枚の写真を1ページに収めているページもありますが、こちらは主に同じシーンで連写した中から選ぶような場合です。
本書の写真の中にも、ごく一部ですが、トンボが捕食している(らしい)写真が含まれています。こういう写真は、ファインダーをのぞいている時にはあまり気が付かず、あとでパソコンの画面で大きくしてようやく気が付きます。風景写真や街中でスナップ写真を撮っていると、構造を決めたり、シャッターチャンスを狙ったりということを重視しますが、昆虫の場合は、そのほとんどを被写体やその時の光線具合に委ねざるを得ません。それでも写真を撮り続けようという意欲はなくならないし、撮った後の充実感も得られます。これが何なのか、わかってきたような気もしますが、今はまだ虫たちを前に歩き続けていたいと思っています。
<目次>
3〜4月
5月
トンボの思い出
6〜7月
トンボの観察
8月上旬
トンボの生涯
8月下旬
おわりに
撮影データの概要
各写真の撮影データ
<著者紹介>
Mushiqubo(ペンネーム)、横浜市在住。
<著者のウェブサイト>
2000年からネイチャーフォトを中心に日々の散策で撮影した写真を自身のウェブサイトに掲載してきました。2011年からは現在のウェブサイト「Mushiqubo’s Photo Gallery」で、ブログ風に短い文章を添えて日々写した写真を発表しています。
Mushiqubo’s Photo Gallery (Mushiqubo Page): https://mushiqubo.jimdofree.com/
2020年4月には、『「花ときどき虫」または「虫ときどき花」』をテーマに、花や昆虫の写真を紹介するInstagramを始めました。スマホでは撮れないような写真を、なるべく目指すようにしています。
Instagram: https://www.instagram.com/mushiqubo/