写真集 横浜海辺の散歩道
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Publisher Description
本書は約2年ぶりの風景写真による写真集です。この1年半ほどは昆虫の生態写真で編集した写真集を5冊出版してきましたが、今回はここ数年、交通網の発達で遠方からも訪れやすくなった、横浜の港湾エリアが撮影の舞台です。
このエリアへは、JR根岸線の桜木町駅や、みなとみらい線のみなとみらい駅、あるいは馬車道駅、日本大通り駅などが最寄りの駅ですが、最近は横浜市営バスの観光路線も充実してきて、大きな連節バスで目的地に直接アプローチできます。さらに観光船や水上タクシー、いつの間にかロープウェイまで出来ていました。時には赤いバスが海の上を走っているかと思うと、陸に上がってきて今度は道路を走行したりと、驚きがいっぱいのエリアです。
新しいものを追いかけても良いのですが、少し趣向を凝らそうと思い、過去に撮った写真を眺めることから計画を練り始めました。すると、今見ている風景と大きく変わった場所や、もう10~20年前には出来ていた街並みなど、さまざまな姿を見せてくれていることがわかってきました。そうした中から、写真集ではコラムのような形で、新旧の写真を対比させるページを挟むことをまず考えました。そのためには、以前撮影した所とほぼ同じ場所で再び撮る必要があり、ルートを考えながら撮影プランを練りました。候補にあがった37ヶ所から、今回の趣旨に合ったところを抽出した21ヶ所が本書では収録されています。
もちろんこの新旧の対比は補助的なプランで、中心になる写真はこの冬の期間に集中的に撮りました。この季節の横浜は晴れ渡った青い空の印象が強く、それを映した群青色の海と、それに加えて光が織りなす美しさを表現できないかと、いろいろ考えながら歩き回っていました。気温が低い冬ならではの澄んだ大気の中でのクリアな写真を、この写真集の特徴の一つにすることができました。青といえば、前述した観光スポット巡りに便利な連節バスも、この海とも空とも言える深く明るい青色で塗装されていて、道を歩いていてもすぐ目に入ります。
実はもう一つ制作の過程で気になることがありました。それは、港につきものの荷揚げクレーンです。かつて、山下臨港線プロムナードの象の鼻地区に、使われなくなった古い小さなクレーンが残されていました。撤去される前に撮った写真は「写真集 変わりゆく横浜の風景」に収められています(本書にも1枚掲載)が、それとはスケールが違う大きなクレーンが、新港ふ頭の先に残されています。ハンマーヘッドクレーンと呼ばれているクレーンですが、今ではハンマーヘッドというと、その横の客船ターミナルにある商業施設を指すようになっています。この大きなクレーンは、全高が約30メートルもあるため、遠くからでも見つけることができます。
100年以上前に設置されたこのクレーンこそ、この横浜港の変遷を見続けてきた存在であり、周りがどんどん変わって行っても、このクレーンだけはこの場所にずっと居続けたことになります。そのようなクレーンを、いろいろなところから見た風景というものを写真集の中に、さりげなく、それとなく、ひっそりと埋め込むことができないだろか、そんなことを考えながら編集を進めていきました。
今や有名な観光地になった横浜ですが、本写真集で、新たな横浜の魅力を感じていただけたら幸いです。
<目次>
撮影地図
Part 1 海へ向かう道
Part 2 海を眺める道
Part 3 海から来る道
Part 4 海へ続く交差点
おわりに
撮影データ
<著者紹介>
Mushiqubo(ペンネーム)、横浜市在住。
<著者のウェブサイト>
2000年からネイチャーフォトを中心に日々の散策で撮影した写真を自身のウェブサイトに掲載してきました。2011年からは現在のウェブサイト「Mushiqubo’s Photo Gallery」で、ブログ風に短い文章を添えて日々写した写真を発表しています。
Mushiqubo’s Photo Gallery (Mushiqubo Page): https://mushiqubo.jimdofree.com/
2020年4月には、『「花ときどき虫」または「虫ときどき花」』をテーマに、花や昆虫の写真を紹介するInstagramを始めました。スマホでは撮れないような写真を、なるべく目指すようにしています。
Instagram: https://www.instagram.com/mushiqubo/