写真集 ビロウドツリアブが舞う春の野山
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Publisher Description
今回の写真集の主役は、ビロウドツリアブという1センチ足らずの小さな昆虫です。春に咲く野の花に飛来するアブの仲間です。長い口吻を持っていますが人を刺すことはなく、花の蜜や水たまりの水を吸い上げるだけです。もちろん噛みつくこともなく、安全でおとなしいアブです。薄茶色の毛で覆われているので目立ちませんが、よく見ると最近はやりの「もふもふ」という言葉がぴったりの、かわいらしいアブです。毛深い虫は普通は嫌われがちですが、このアブはわりと人々に好まれる姿をしているようです。飛び方にも特徴があり、ドローンのように空中で静止することができます。静止した状態から急に向きを変えたり、目指す方向に移動したり、かなり高い飛行性能を持っています。
実はこんなに魅力的な昆虫がいるのに、子どもの頃はその存在を知りませんでした。それだけではなく、つい最近までさほど気に留めることもなく、チョウや、もう少し大きなハチやアブばかりに目が向いていました。それが、忘れもしない2020年の春のことです。先が見通せない状況に世界が突入していった頃、足元の自然に目を向けるようになり、ある時ふとこの小さな昆虫に出会いました。それから毎年、春になるとビロウドツリアブを求めて春の野原に出かけるようになりました。生態を知れば識るほど興味がわくのはこの虫に限りませんが、ビロウドツリアブは何か特別な存在のような気がしてきています。最近では、スプリング・エフェメラル(春のはかないものたち)の一員にも加えられているようです。成虫の時期は短いので、はかないと言えばはかないのかも知れませんが、この小さな昆虫の中にも強い生命力があることに気づかせてくれます。
認知度が低い地味な昆虫ですが、その姿を多くの方に知っていただきたい、機会があれば野原で見つけてみてほしい、そういう願いを込めて本書を制作しました。
<目次>
はじめに
第1章 ビロウドツリアブがいるところ
第2章 大好きなのはオオイヌノフグリ
第3章 枯れ葉の上で一休み
第4章 天気が良い日は花を求めて
第5章 ビロウドツリアブはホバリングの名手
おわりに
撮影データ
<著者紹介>
Mushiqubo(ペンネーム)、横浜市在住。
<著者のウェブサイト>
2000年からネイチャーフォトを中心に日々の散策で撮影した写真を自身のウェブサイトに掲載してきました。2011年からは現在のウェブサイト「Mushiqubo’s Photo Gallery」で、ブログ風に短い文章を添えて日々写した写真を発表しています。
Mushiqubo’s Photo Gallery (Mushiqubo Page): https://mushiqubo.jimdofree.com/
2020年4月には、『「花ときどき虫」または「虫ときどき花」』をテーマに、花や昆虫の写真を紹介するInstagramを始めました。スマホでは撮れないような写真を、なるべく目指すようにしています。
Instagram: https://www.instagram.com/mushiqubo/