京都寺町三条のホームズ : 1
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4.0 • 61件の評価
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- ¥570
発行者による作品情報
京都の寺町三条商店街に、ポツリとたたずむ骨董品店『蔵』。女子高生の真城葵は、ひょんなことから、そこの店主の息子の家頭清貴と知り合い、アルバイトを始めることになる。清貴は物腰や柔らかいが恐ろしく感が鋭く、『寺町のホームズ』と呼ばれていた。葵は清貴とともに、様々な客から持ち込まれる奇妙な依頼を受けるが――エブリスタ発、人気No.1キャラミス!
APPLE BOOKSのレビュー
2013年に故郷の北海道から京都へ移住した望月麻衣が、観光では気付かなかった京都の魅力に目覚めて発表した日常謎解きミステリー『京都寺町三条のホームズ』。“人が死なない楽しいミステリー”を目指しただけあり、取り上げられるトラブルや相談は人間関係のこじれや恋愛にまつわるあれこれがメインの、軽く読みやすいミステリーとなっている。解決に導くのは、抜群の観察眼を持つ天才鑑定士のホームズこと家頭清貴。京都寺町三条商店街にある知る人ぞ知る骨董品店「蔵」の店主の孫で、京都大の大学院生でもある。作家の分身的存在でありワトソン役を務めるのは、7か月前に埼玉県から転校してきたごく普通の女子高生、真城葵。シリーズ第1巻である本作では、ある事情で「蔵」でアルバイトを始めた葵が、骨董の世界を通して京都と大人の世界に足を踏み入れる様子が初々しく描かれる。何事においても完璧で、葵に対してツンデレな清貴は、少女マンガにおける王子様。自分に自信がない葵が、清貴や「蔵」の関係者に温かく支えられて、自分の殻を破っていく成長物語にもほっこりする。清貴による京都の歴史や行事の解説も分かりやすく、読むほどに京都に行きたくなる。