源氏物語 ー 榊
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3.9 • 37件の評価
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発行者による作品情報
「源氏物語」は平安時代にかけて活躍した女性作家、歌人である紫式部の作品。與謝野晶子によって翻訳されたもの。全54帖の第10帖「榊」。この作品は底本の「全訳源氏物語 上巻」に収録されている。
カスタマーレビュー
moshikamoshika
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悪行がバレる
この巻は政治について描かれている。しかも「帝が若く大臣が人格者でないからどんな世の中になるか官吏たちは悲観している」などと語られ、これを読んだ一条天皇や道長はなんと思うだろうとヒヤヒヤする。「恋をすべきでない人に好奇心の動くのが源氏の習癖」とはまさに源氏を語っている。褒め言葉には決して思えない。かたや「年は若くとも国家の政治をとるのに十分資格が備わっている、一国を支配する骨相を持っている」と帝にまで言われるのだが、物語にそうした彼の姿は描かれていないから、ただの色ボケ男にしか思えず、ついに悪行がバレる日が来た。