風立ちぬ
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3.7 • 935件の評価
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発行者による作品情報
戦争という時代背景のなかでの「生と死」、「愛情や幸福」が描かれた作品。著者の堀辰雄は、当時の小説にフィクションのエッセンスを取り入れた作家といわれる。主人公は軽井沢で出会った女性と婚約する。だが婚約者が結核を患ってしまったため、二人は高原の療養所で過ごすことに。有効な治療薬がなかった時代に病と戦う生活、その幸福感と絶望感という隣りあわせの複雑な感情が静かに表現される。男女の出会いから別れまでが音楽的に構成され、風景描写が特に美しく、生死の儚さをより際立たせている。時間の流れを音楽的に構成することによって、読者に共感を与え、悲しい結末に深みを感じさせる。スタジオジブリ作品長編アニメ映画『風立ちぬ』の題材にもなった。
APPLE BOOKSのレビュー
宮﨑駿監督の同名アニメ映画のモチーフになったことで知られる純愛小説。結核を患い高原のサナトリウムで療養を続ける節子と、その婚約者として寄り添いながら生きる主人公の、喜びと悲しみに満ちた日々を静かな筆致で描いている。夏の記憶を呼び起こす「序曲」で幕を開ける物語は、高原の四季をたどりながら、静かな音楽を奏でるように進んでいく。気弱な言葉をつぶやく節子に、愛情深い言葉をかける主人公。限られた時間の中で悲しみの中に希望を見いだそうとし、時折確かな喜びに胸を満たす2人の姿は、はかなくも美しい。主人公が小説家であること、また作者自身も結核を患い転地療養していたことなど、私的な思いや出来事が物語に深く織り込まれている。なお、「序曲」で節子に寄り添う主人公の口をついて出る「風立ちぬ、いざ生きめやも。」という一節は、ポール・ヴァレリーの詩の一節を堀辰雄が和訳したもの。その語感の美しさが、作品全体に豊かな詩情を添えている。
カスタマーレビュー
曲軒
前から 一度は読んでみたい本でした。
風景描写が素晴らしい。
死に至る病、結核(別名 食い尽くす)の恐ろしさが身にしみました。
おもしろい
この、作品は、りんちゃんという作品よりクウォリティーが低いと思う
でも普通におもしろい
主人公がいい
話しの構成はなかなか興味深いが‥
主人公の情感を表現しきれていないような気がする。
節子の存在は大きかった。