よだかの星
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4.2 • 1,464件の評価
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発行者による作品情報
その容姿の醜さゆえに仲間から疎まれ、「よだか」とあだ名された鳥。そして、その名前から鷹に嫌われ、名前を変えるように強要される哀れな鳥。自分ではどうにもならない容姿や名前のことで責められ続けることに絶望し、太陽や星に別世界へ連れて行って欲しいと願うものの拒まれたよだかは、辛すぎるこの世に別れを告げる決心をする。「食べることと生きること」「生きることと殺すこと」など、宮沢賢治の「死生観」が随所にちりばめられ、生命の在り方とは何かを根源的に問いかける不朽の名作童話。
APPLE BOOKSのレビュー
宮沢賢治による、自己犠牲と魂の昇華を描いた寓話(ぐうわ)作品。生命の尊さという普遍的なテーマを扱う本作は、国際的にも高く評価されている。よだかは醜く、他の鳥たちから嫌われ、いじめられていた。その名を気に入らない鷹(たか)からは「名前を変えろ」と脅され、拒めば命を奪うと告げられる。絶望したよだかは夜の空へ飛び立ち、自らの生き方に疑問を抱く。虫を食べて生きることに罪悪感を覚え、このまま虫を捕らえず餓死しようと決意するが…。よだかの苦悩は、「なぜ生きていてはいけないのか」という、存在そのものに対する根源的な問いである。弱さや醜さが否定される世界への批判であり、よだかの最期は、内面の美しさこそが真に輝くのだという寓話(ぐうわ)的メッセージとして読み取れる。平易な文章ながら倫理的、哲学的な深みを備えた一編であり、時代や年齢を超えて、誰の心にも響く悲しみと救いの物語だ。音楽のように言葉が紡がれ、散文でありながらも随所に韻律を感じさせる文体は、詩人・宮沢賢治の真骨頂。読みやすく、それでいて読み終えた後に、なぜか胸の奥がきゅっと締めつけられる。そんな読書体験が得られるのも、宮沢賢治ならではの魔法だろう。
カスタマーレビュー
名作
よだかの生きざまが素晴らしい。ある意味で自分もこうありたいと思う作品です。宮沢賢治の生きざまもこうであったか❓
感動
夜鷹は優しいのに見た目が醜いだけで周りから虐められて可哀想。最後夜鷹が星になる時に感動した🥺
世界の縮図
子供の時に読んでおきたかった。