



美男子と煙草
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4.1 • 517件の評価
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発行者による作品情報
この作品を書いている、太宰治(だざいおさむ、1909年(明治42年)6月19日-1948年(昭和23年)6月13日)は、日本の小説家である。この作品は底本の「太宰治全集9」では「日本の小説・物語」としてまとめられている。初出は「日本小説」1948(昭和23)年1月。
APPLE BOOKSのレビュー
太宰治が後期に発表した短編で、実体験を基にした随筆的作品。無頼派の面目躍如たる批判的な視線とおなじみの自己憐憫と自虐、そして太宰文学ならではの諧謔(かいぎゃく)的な雰囲気で爽やかな読後感をもたらす。ある雑誌社の記者から上野の浮浪者を見に行かないかと誘われた「私」は、薄暗い地下道で見かけた浮浪者が、みな端正な顔立ちをした美男ばかりであることに気付く…。この作品のテーマをあえて掲げるとすれば、それは冒頭で述べられている、“古いものとのたたかい、ありきたりの気取りに対するたたかい、見えすいたお体裁に対するたたかい”かもしれない。そして、太宰の言う古いものたちと対峙(たいじ)する者は孤影の者であり、それ故に美男なのである。自分と同じようだと太宰はおどけてみせるが、同時に、自身の地下道行きの末路を本気で感じて戦慄(せんりつ)するあたりが、表裏のない愛すべき太宰の人間性だ。そして、この作品の見事さは附記に集約される。見事なおちであると思う。短いながらも、太宰治という作家の魅力が凝縮された傑作だ。なお、この作品は太宰が亡くなる3か月前に発表されたもの。太宰は実際に上野へと足を運んで取材を行っており、当時の写真も残されている。
カスタマーレビュー
すべて見る名作
誰しもが恐れる堕ちること。
堕ちることは自惚れであるとしつつも、そこが生まれたところなら純粋な魂を持てると言うことを言いたいのかな。
太宰の自虐も笑えました。
一度でいいから読んでみて
面白い。
初めての人にお勧めする。
かなり短く、3分程で読むことが出来る。
何回も読みたい
1ページ目は理解できなかったが
どんどん引き込まれて行く