風の歌を聴け
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- ¥500
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発行者による作品情報
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
APPLE BOOKSのレビュー
言わずと知れた文学界の巨匠、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』。続く『1973年のピンボール』と『羊をめぐる冒険』を合わせた通称「鼠3部作」の1作目であり、その後の作家の世界観を決定づける傑作と言われている。29歳の主人公の僕が、8年前の「1970年の8月8日から18日後の8月26日まで」に起きた夏の出来事を淡々と書き記した物語。20歳の僕は、友人の鼠と共にジェイズ・バーで酒を飲みながら音楽を聴き、理想や現実について話を交わす日々の中で左手の指が4本の女の子と出会う。「僕」や「僕と鼠」、そして「僕と彼女」など、短いエピソードの積み重ねやコラージュが不連続に40の断章として語られながら一つの大きな世界を描き出し、その表現方法はカート・ヴォネガットやリチャード・ブローティガンなどアメリカ文学からの影響を感じさせる。翻訳調の文体、映画や音楽、小気味よいメタファー、たわいもない会話など、そこかしこにちりばめられた巧妙な仕掛けが奥行きと余白のある世界を仕立て上げ、まさに村上ワールドの真骨頂が広がっている。
カスタマーレビュー
1
文学作品に対し無知だからかわからないけど、良いのかがわからなかった。
でも日々、夜に抱えるようなモヤモヤをどこか掴んでいるような気のする文章だった。面白いかはわからないけど退屈ではなかった。
青春の思い出
これは村上春樹の処女作となる。そういう訳で完成度はさほど高くないが、何か引きつけられる不思議な新鮮さがある。
著者の出身地の神戸のような港町を舞台にしていて、主人公の友情や恋愛を描いている。自分の青春を思い出させてくれる。懐かしい。いいと思う。
村上春樹のデビュー作品
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
彼のあまりにも有名な一文は、この小説から生まれた。あるひと夏の思い出を、村上らしい独特な文体と作風で描ききった不朽の名作である、と思う。