トロツ‪コ‬

    • 4.2 • 263件の評価

発行者による作品情報

主人公は、トロッコに憧れる8歳の少年、良平。小田原と熱海を結ぶ鉄道工事現場に、毎日のように通う良平に、ある日、トロッコを押すチャンスがめぐってくる。2人の職工と共に憧れのトロッコに乗り、有頂天の良平。ところが夢のような時間はあっという間に過ぎ、日が暮れかける中、ひとりで帰るようにと置き去りにされてしまう。ひとりぼっちの帰り道、少年の心を襲う恐怖と孤独。そんな思い出を26歳の大人になった良平に教えてくれるものとは……。大人の世界を垣間見た少年の不安を描きながら、人生そのものを暗示するノスタルジー溢れる短篇小説。出版社で働く雑誌記者の回想に着想を得た芥川が、一晩で書き上げたと言われる。舞台をいまもトロッコ軌道の残る台湾の花蓮県に変えて、2009年に映画化された。

ジャンル
小説/文学
発売日
1926年
3月2日
言語
JA
日本語
ページ数
8
ページ
発行者
Public Domain
販売元
Public Domain
サイズ
348.7
KB

カスタマーレビュー

'U'MA

人生のメタファー

尾野真千子さんの映画を観て、この原作に興味がわいた。

最後までただ無邪気な絵本のような小説かと思いきや、最終盤に文学になるところは、さすが芥川の腕前。

一気に時が流れることで、少年時代の思い出が普遍性を帯びる。あの日のトロッコ遊びとは、いったい何だったのか...
これが素晴らしく喚起的で色んな解釈ができる。

楽しく遊んだら、そのぶん代償を払わねばならない。
この資本主義社会では当たり前のリアリズムが、この物語を通すと非常に痛切に感じさせられる。

資本主義が続く限り、誰にとってもこの少年のような号泣をへて、イノセンスを失うのだろう。

私には2時間の映画よりも、たった8ページのこの短編の方が、味わい深いものとなった。

最後に来て、好きなだけ遊べる世界への憧れを喚起させられた。

a k i n o

さすがです

暮れかかる道を必死に走る、自分にも覚えがある。そして今も、その心境にある。それをキリリと書き切っているのは、さすが。

なおぴのりぴ

名作

26歳の大人になった今と8歳の子供の頃の話。
社会の中での日々の苦労に疲れた彼の前には、小さい時にトロッコに乗って遠くまで行ってしまい、帰れ無くなるのではないかと不安な気持ちになった昔の自分を重ねて見てしまう。

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