護られなかった者たちへ
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発行者による作品情報
仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か? なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?
誰が被害者で、誰が加害者なのか──。
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
この国の制度に翻弄される当事者たちの感情がぶつかり合い、読者の胸を打つ!
第三の被害者は誰なのか?
殺害された彼らの接点とは?
第三の被害者は?
本当に“護られるべき者”とは誰なのか?
“どんでん返しの帝王”中山七里が、日本の社会福祉制度の限界に挑んだ問題作!
カスタマーレビュー
マンゴー7
、
無力を知った。
途中、本物の貧困を目の当たりにして胸が苦しくなり涙が溢れました。世間知らずなつもりもなかったが、ここまでリアルな貧しさを
自分は理解していなかったんだと気付かされた。今の自分ができることは何か。考えても考えても答えに辿り着けそうにない。
oreinoko
、
絶望の先にあるものは?
作者の中山七里さんの本を初めて読みました。なかなか読むきっかけがなくて、映画化されたそうですが映画を一切見ないので知る事がなかった。再読しても心が押し潰される思いを再度味わいました。餓死という死は戦時中の事だと思っていました。今の貧困は絶望の果てに静かに死んでいく。自死という形で…。でも生きて欲しいと祈らずには居られないです。