蜜柑
-
-
4.1 • 338件の評価
-
発行者による作品情報
この作品を書いている、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ、1892年(明治25年)3月1日-1927年(昭和2年)7月24日)は、日本の小説家。この作品は底本の「現代日本文学大系43芥川龍之介集」では「日本の小説・物語」としてまとめられている。初出は「新潮」1919(大正8)年5月。
APPLE BOOKSのレビュー
大正期に活躍した日本を代表する作家の一人、芥川龍之介による中期短編小説。1919年に「私の出遇つた事」として発表された、実体験に基づく作品だ。ある曇った冬の夕暮れ、横須賀線の二等客車に乗った「私」は、いかにも田舎者らしい風体のみすぼらしい少女と乗り合わせる。少女に嫌悪感を抱き、二等席と三等席の区別すら弁(わきま)えない分別のなさに腹を立てていた「私」は、憂鬱(ゆううつ)な気持ちで夕刊を眺めながら、自分の置かれた状況、「不可解な、下等な、退屈な」人生をとりとめもなく考えていた。次第にうつらうつらしていた「私」だが、少女はおかまいなしに隣に移ってくると、窓を開けようと悪戦苦闘し始める。さめた目でそれを眺めていた「私」だが、隧道(すいどう)へと汽車がなだれ込むと同時にガラス戸が開き、すすが車内に充満する。頭ごなしに小娘を叱ろうとした「私」が目にしたものは、踏切の柵の向こうに立つ、頬の赤い3人の男の子だった。その少女と男の子たちの行動を目にし、色彩のないくたびれた世界にいた「私」は、わずかだがどんよりとした倦怠感から抜け出す。人生が色鮮やかに感じられる一瞬が、見事に切り取られている。
カスタマーレビュー
みかんを投げた瞬間に世界に色がついた。
パブリックドメインで10冊目くらいの芥川作品なのだがこの文章を読み、芥川ってすごいと思った。
他の作品も面白いけどこれはすごいと思った。
寂れた白黒の世界が暖色に染まる感覚驚いた。
泣くゥ、
タタナイ👎
芥川龍之介 みかん
何度読んでも涙、涙です。是非多感な高校生に読んで頂きたい‼️