あばばばば
-
-
3.9 • 592件の評価
-
発行者による作品情報
『あばばばば』は、明治時代の日本の小説家芥川龍之介の作品。本名同じ、号は澄江堂主人、俳号は我鬼。この作品は底本の「「現代日本文学大系43芥川龍之介集」筑摩書房」では「日本の小説」としてまとめられている。
APPLE BOOKSのレビュー
芥川龍之介が大正12年に発表した短編で、海軍機関学校で英語教官を務めたころの自身の経験を基に描いた「保吉もの」の一編となる私小説。海軍の学校に赴任した堀川保吉は、学校へ通う道すがら、小さな店で煙草やココアを買っていた。店の主人は客にあれこれと指図する、無愛想で感じの悪い男で、小僧と2人で切り盛りしているが、ある初夏の朝、煙草を買いに行くと、猫に似た若い女が勘定台の後ろに座っていた。女は品物を間違えるし、客の応対にもつかえるし、おまけに顔も赤らめる。保吉は、主人の細君でありながら人なれしていない女に好意を抱くが、自分の予想通りに反応する女とのやり取りをからかい半分に楽しんでもいた。だが、年越しあたりから女の姿は店から消え、約2か月後に保吉が目にしたのは赤ん坊をあやす母親の姿だった…。初々しい妻から堂々たる母親への変貌。以前のような恥じらいを見せない女への保吉の困惑は、母性を獲得し、精神的変化を遂げた女性に対する男性の疎外感に他ならない。言葉としての意味を持たず、母子間にしか成立しないコミュニケーションの象徴であり、保吉が立ち入れない世界への入り口でもある『あばばばば』というタイトルも秀逸。
カスタマーレビュー
最後の描写良き
女性が母になる描写に感銘。
母になると怖いよね。特に子供のことに関して何かあると。
ただ子供がいるからしょうがないと紋所にして子供を利用する方もいかがなものかと。
まぁ結局それは子供がいようがいまいが色んな人がいるわけで、
そんなことを思いながら完読。
面白かった
タイトルに惹かれてこの本を読みました。
読書初心者ですが、短くてとても読みやすかったです。
「あばばばば」とは一体何なのか。タイトル回収をした時はそう言う意味か。と思いました。
他にも、1900年代の初頭の情景をとても想像しやすく描写していて、とても楽しく読めました。
かういふ
作品もありつる