津軽
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3.9 • 174件の評価
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発行者による作品情報
明治時代の日本の小説家太宰治。『津軽』は底本の「太宰治全集第六巻」(筑摩書房)では「日本の小説・文芸」としてまとめられている。本書で登場するのは、「序編」「本編」などが収録されている。
APPLE BOOKSのレビュー
文豪太宰治が故郷を巡り、津軽の風土と人情を伝えた紀行文風小説。津軽地方に生まれた津島修治(太宰の本名)が、戦時中に故郷を巡る取材旅行を行う。生まれ育った金木町から、蟹田、外ヶ浜、津軽平野、五所川原と青森各地を巡り、幼い頃に子守りをしてくれた“たけ”の嫁いだ小泊村を訪れる。先々でかつての友人知人、兄弟たちと再会する中、人々との会話は人情味にあふれ、ユーモアに温かみが感じられる。随所で語られる太宰の少年時代も生き生きとして、過去の自分と向き合う旅であると同時に、自伝的な側面があることも分かる。一方で、文中で国木田独歩や芥川龍之介ら、名だたる文豪が30代で命を落としていることに触れていることから、38歳で自ら命を絶った著者について思いをはせずにはいられない。ただ、たけとの感動的な再会は、自分探しを終えて新たな一歩を踏み出した姿にも見え、すがすがしくもある。実際のエピソードにフィクションを挿入していることから紀行文風小説と表現されるが、自身が記した作品の中にこそ、太宰の真実があると感じさせる。
カスタマーレビュー
最後がよき!
終わりよければ全てよし。
現代では使われない死語が多く読むのが大変。
太宰が実際に歩いて回る青森ぶらり旅は面白いのだが、
青森郷土史が古語も使われて読み解くのが大変であった。
少し退屈なぶらり旅。
最後のたけ!最高でした。
太宰はずっと言わなかったけど最後タケに会う旅だともいっている。
それくらいこの旅ではたけまでは上の空であり、退屈な旅日記。
たけのところは魂感じとても響いた。
いいさくひんでした。
太宰の別の側面
たけに修治が会う部分は涙なしではいられない。
津軽をよんで
大東亜戦争末期において、このような旅行風土記がかかれたことに驚きました。